ANYTIME Letter | 大切なのは「フィードバック」

ANYTIME Letter | 大切なのは「フィードバック」
早いもので、今年最後のエニタイム・レターとなりました。
今回は年末ということで、今年一年を振り返るべく「フィードバック」について記させていただきます。

私はかれこれ10年以上、地域のこどもたちにバスケットボールを指導していますが、数年前にコーチ仲間と「こどもたちの成長に欠かせないものはなんだろう?」といろいろ考えまして、結論として最も大切なことは「フィードバック」だということになりました。
どんなに練習時間を増やしても、どんなに新しいメニューを取り入れても、自分を客観的に見て、どこが良くて、どこが悪いのかを知り、修正していかなければ…つまり「フィードバック」しなければ意味がない。そして、わたしたちコーチの役割は、より的確なフィードバックができるようにすることだと考えたのです。

次にわたしたちは「どうフィードバックするべきか?」「どのように伝えることが、いちばん成長につながるのか?」を考えるために、練習するこどもたちを観察しました。コーチの言葉に素直に耳を傾け、修正ができる子もいれば、何度同じことを言われても、修正できない子もいるわけです。それを理解力の差と結論づけるならば、成績が優秀な子ほどフィードバックを受けて修正できるとなりますが、実際にはそうではありません。勉強が苦手な子でも、しっかりフィードバックを受けて修正できる子もいますし、勉強が得意でもできない子もいました…。

しばらく観察を続けているうちに、フィードバックが効かない子たちの特徴が見えてきました。
「思い込みが激しい/プライドが高い」こどもたちです。この子たちは、自分はこうあるべきという思いが強すぎて、実際の自分との違いを指摘されるのを嫌がる、認めたがらないというわけです。

そこで、わたしたちは「バスケノート」を用意し、こどもたちに「出来たこと・出来なかったこと」を書かせ、それぞれ「なぜ?」を3回繰り返して理由を書くように指導しました。例えば「ランニングシュートが入らなかった」→「なぜ入らなかったかというと、ボードの黒い角に当てなかったから」→「なぜ黒い角に当たらなかったかというと、下を向いてドリブルしていたから」→「なぜ下を向いてドリブルしていたかというと、ハンドリングが弱いから…」という風に、まずは自分で自分のことを客観的に観察させたのです。そうすることで、こどもたちのプライドを傷つけることなく、現状の自分に気づかせることが出来ました。いきなりコーチが出来ていないことを指摘するのではなく、まずは自分で現状を整理させるという過程を経ると、子どもたちにも気持ちの余裕ができ、フィードバックを素直に聞けるようになり、機能し始めたのです。

また、この方法でよかったのは「出来たこと」を最初に書かせたことでした。こどもたちは基本、他人に褒めてもらいたい、認めてもらいたいという承認欲求が強い生き物ですから、「出来たこと」は気持ち良く、自慢気にたくさん書いてくれました。すると「出来なかったこと」というネガティブなことも、ポジティブな気持ちで書いてくれるのです。これがネガティブなことばかりだと、自信を失うだけで…もうバスケをやめるしかなくなります…。

そんなこんなで、このノートを使ったフィードバック・システムを用いてから、自分で言うのもなんですが、コンスタントに好成績を収めるチームへと成長しつつあります。

こどものバスケチームの話ではありますが、「フィードバック」が成長に欠かせないということは大人も同じだと考えます。
そして、コーチの役割が上司や先輩であり、彼らの言葉に素直に耳を傾けるには、自分を客観視することを心がけねばならないのです。
逆に、コーチ役の人は、いかに選手たちのプライドを傷つけず、ポジティブな気持ちをキープさせるかということが重要なのです。

街はすっかりクリスマス気分ではありますが、是非、みなさんなりの「フィードバック」を試してみてください。

Get to a Healthier Holidays!

✱もちろんトレーニングにもフィードバックは必要です。
http://blog.anytimefitness.com/weight-lifting-plan-level-3/

http://blog.anytimefitness.com/learn-burntheturkey-key-directions/