睡眠は難しいものです。人間には、睡眠がオリンピック種目であるかのように、日の出と共に起き、日没と共に眠ることが容易にできる、自然な人がいる一方で、それができない人もいます。アメリカ睡眠医学会の推計では、5000万人から7000万人のアメリカ人が睡眠障害に悩まされています。また、Journal for Neurological Researchの2017年のある記事によれば、睡眠障害のある人は睡眠障害のない人と比較して、年間で平均2000ドル多く医療費を支出する可能性があります。 睡眠時間が非常に短い症状を経験した人であれば、それが、身心の健康を含む、生活の多くの部分に悪い影響を与えるということを知っています。睡眠が十分でない人は、反応時間が遅くなる、うつ、肥満の症状、さらには、心臓の合併症の可能性までもが高くなります。では、ヒツジを数えたりだとか、ほかのよく知られた方法がうまくいかない場合、どうすれば入眠し、その眠りを保つことができるでしょうか?この答えとなりえるのがメラトニンの摂取です。
メラトニンとは何でしょうか?
簡単に言うと、メラトニンは人体が自然に生成するホルモンです。これは本来、特定の刺激 (この場合は暗さ) に反応する化学伝達物質であり、人体のほかの部分に影響を与えるものです。メラトニンは脳の中央に位置する松果体で生成され分泌されます。
メラトニンはどのように働くのでしょうか?
実際に暗くなると、それが松果体が働き始め、血中にメラトニンを分泌するための信号になります。時計が就寝時間を示す場合がありますが、明るい光は (自然のものであれ、蛍光灯であれ) メラトニンの生成と分泌を阻害する場合があります。そのため、ベッドの前に明るいついたてなどを配置するのを避けたり、ブラインドを下げたりすることで、よりぐっすり眠ることができるようになる可能性があります。
いつメラトニンを使うのでしょうか?
追加のメラトニンを摂取する正しいタイミングを知るには、医療従事者の話を聞く必要があります。ただし、 生活習慣の改善では効果が不十分であることが判明していて、日常生活上の作業をおこなうのが困難になっている場合や、睡眠不足がストレスを引き起こしている場合は、睡眠のための補助として医学的介入が必要になる場合があるとNational Sleep Foundationが発表しています。また、メラトニンは、入眠、睡眠時間およびその質を改善するという効果を発揮する可能性がありますが、その一方で、ほかの薬理学的介入では効果が十分ではないことが判明しています。さらに、メラトニンが働くさい、重大な副作用もより少なくなっています (素晴らしい!)。
メラトニン・サプリの使用
メラトニンを含む食品の消費が増えることで、より健康的な睡眠のサイクルがもたらされる可能性があります。チェリーやナッツ、マッシュルーム、魚ならびに卵はメラトニン摂取元としてよい食品です。しかし、素早く簡単な方法をお探しの場合は、処方箋不要のメラトニン・サプリを利用することもできます。Nutrition Journal (2014) の「The effectiveness of melatonin for promoting healthy sleep: a rapid evidence assessment of the literature」という表題の記事によると、利用者が素早く入眠して睡眠のサイクルをリセットする効果があることを示すエビデンスがあるため、メラトニン・サプリは処方箋不要の睡眠補助食品として最も所望されています。
メラトニン・サプリの使用に関連したリスク
メラトニンはアメリカ食品医薬品局 (FDA) の規制を受けていないため、このサプリの摂取に関してはいくつかのリスクがあります。たとえば、パッケージに記載されている用量は、正確に錠剤の中の成分を反映していない可能性があります。サプリとして摂取するメラトニンは、人体のホルモンレベルを自然に発生するレベルよりも高い値にするため、摂取のタイミングと摂取量にも注意する必要があります。これが原因で体内時計がリセットされて好ましくないリズムが生じる可能性もあります。そうは言いながら、National Sleep Foundationによると、メラトニンの毒性や過剰摂取の実例の記録は現時点ではありません。長期的な影響に関して、そのほかに多くの研究が現在もおこなわれています。どのような場合であっても、サプリの使用を開始するさいは、あらかじめ、医療従事者に相談するのが最善です。
免責事項: この記事中の記述は、疾患を診断、処置または治療することを目的としたものではありません。生活習慣を大きく変更するさいは、前もって、かかりつけの医療従事者か登録栄養士に必ず確認を受けてください。 出典: アメリカ睡眠医学会 – Sleep Statistics / Journal for Neurological Research (2017) – A Review of Sleep Disorders and Melatonin / National Sleep Foundation – Sleep and Melatonin / Journal of Nutrients (2017) – Dietary Sources and Bioactivities of Melatonin / Nutrition Journal (2014) – The effectiveness of melatonin for promoting healthy sleep: a rapid evidence assessment of the literature
http://blog.anytimefitness.com/what-you-should-know-about-melatonin/
米国記事掲載日時:20180427