「伝説のコーチ・サミット」の人生に勝利する方法

「伝説のコーチ・サミット」の人生に勝利する方法

偉大な選手、コーチであり、あらゆる側面で驚異的な女性が今年逝った。その名はパット・サミット。情熱的で意義深い人生を歩み、それはテネシー・ヴォランティアズでの7回のNCAAコーチ・オブ・ジ・イヤー受賞、8回の全国チャンピオン、38回のシーズンチャンピオン、トータル1098勝をはるかに超えるものだった。

サミットの遺産は女子スポーツの勃興にともなって記されたが、それが強固なものとなったのは彼女が率いた女子ヴォランティアズの特徴と経歴、それに、いかに見事にチームを成功へと導いたかによる。指導した有資格の選手は全員大学を卒業し、しかも生涯を通じて闘う態勢を整えて卒業した。

サミットは他のほぼ誰よりも競技スポーツとチームワークの習得とがもつ価値を、また、個人的な達成が多くの場合にチームの成功によってもたらされることを、理解していた。懸命に努力せよ、一緒に努力せよ、そうすれば結果はついてくる。

「チームワークは家族の一員になることにたいへん似ています。義務があり、もつれがあり、頭痛があり、いざこざがあります。ですが、その報酬はかかるコストに見合うものです」とサミットは語った。

ほとんどの人はサミットコーチに指導される喜びを享受したわけではないが、彼女の賢明な言葉は生きながらえ、競争者であることや他者との協力について多くのことを教えてくれる。以下は自分の人生で活用できるサミットの10の名言だ。

1. チームとは容易ではないもの

「チームワークは自然にやってくるものではない。チームワークに向き合いなさい。人は特定の性向を伴って生まれてくるが、共有はそこには含まれていない」。

よちよち歩きの幼児の親なら誰でも、若年に開始される闘争のことを知っている。人は他者との協力を学び、自分のものや活力を共有するようになるが、それで年齢を経るに従って事態が驚異的に容易になるわけではない。バスケットボールチームには多くのポジションがあり、オフェンスかディフェンス、あるいは特定の状況により優れた多くの選手で構成される。それと同じように、世界にはさまざまな長所と短所をもつ多くの人がいて、寄り集まって偉大なことを成し遂げようとする。サミットはチームを構成するために思慮深く学生を集めたが、その地点に留まらなかった。選手に違いを認識させ、意見の相違やエゴを乗り越えて協力させ、成功のためにいかにお互いを必要としているかを理解させた。

2. 心のもち方が大切だ

「心のもち方は選択すべきものだ。人は心のなかで考えていることを実行できる。肯定的でも否定的でも、自信があっても恐れていても、心のなかにあるものが現実化する可能性が高い」。

サミットは確固たる自信があることで知られていた。また、その同じ強力な外向きのエネルギーを選手のなかに養い育てることでも知られていた。チームが特定の相手を打ち負かせるか心配していたことはあったかもしれないが、けっして表に出さなかった。巧みに準備をし、能力の最大限まで練習した後に、女子ヴォランティアズはまさに最後にできることを訓練された。信じることだ。勝てると信じ、肯定的に思考する。おどおどしながら床を踏みつけてみても、誰にも何の得にもならないのだから。チームは常に勝利したわけではなかったが、勝利できると間違いなく信じていた。これは最優秀の競争者に見られる強みだ。

3. 忍耐を持って規律を整える

「規律の90パーセントは物事を正しく行うために忍耐することだ」。

ああ、忍耐。大人の10人に9人はもっと忍耐をもっていたいと思うことだろう! サミットは規律の良さを定期的に説教した。規律は自分の役割を果たすためにできることの、また、チームメイト (あるいは、同僚や家族) が自分から期待できることの、ベースラインを定める。簡単に行えるという意味ではない。1日間をあけたいときや、作業をさぼりたい時でも、堅実かつ懸命に努力する必要がある。しかし、こまごましたことを繰り返し行うことで、人は信頼されるようになる。そして、ついには、期待される以上に伸び、行えるようになる。

4. 説明責任は絶対的な王と等しい

「説明責任は個人の成長にとって、また、チームの成長にとって、不可欠のものだ。自分がけっして間違っていないとしたら、どのようにして成長できるのか? 間違いを認め、責任をとることをしないなら、必ず同じ間違いを犯す」。

サミットは、何かをより良く行える可能性があったかどうか、あるいは、自らのゲームプランに瑕疵があったかどうか、を指摘した初めての人物だ。また、よく選手を叱りつけた。ときにそのことで批判を受けたが、これは選手に説いていた個人の説明責任の自然な延長だった。グループが協力し成功するためには信頼がすべてだ。だから、何かを間違えたら白状するのが一番だ。長々とした説明を求めているのではない。認めるという1点が大事だ。その次のステップは、改善し前進するために何ができるかを発見することだ。

5. 常に向上できるチャンスがある

「自分よりも上の人物が必ずいる。生計を立てるために何の仕事をしているかにかかわらず、チャンスはある。隣の人ほど才能はないという状況に必ず出会う。その時こそが、競争者であるかどうかが幸運に違いをもたらす機会だ」。

サミットコーチも含め、最善を尽くしたときでも、まだ改善の余地がある。このことを認識し、きちょうめんに努力して懸命に取り組んでいけば、偉大な人物の典型となり、あらゆる人の良い手本になる。

6. 自分を過小評価しない

「疲れきっているときに何かを行う、あるいは、自分でできると思っている以上に自分を前に押しやる。例えば、2時間の練習の後にグラウンドを走ってみる。そうすれば競争者になれる。毎回、自分が認識する限界を越えて前に進めば、精神的に強靭になる」。

ちょっと前に述べた自信について覚えていますか? サミットは自身を高く持ち上げ、選手には懸命に努力することを強いたが、これは各人がそれ以上にできることを理解していたからだ。人は本当に奇跡的な存在だ。成功の大部分は精神ゲームだ。リスクをとり、懸命に努力するのであり、現状に満足するのではない。この感覚をつかみとり、グループ全体に染みわたらせることができれば、可能性は莫大だ!

7. 成功は相対的なものと考える

「成功はまったく相対的な問題だ。どこから始め、どこで終えたいかによって決まる」。

人々の健康とフィットネスの旅に関して、小さく始め、小さな勝利を祝うことが多く語られる。サミットも選手やチームに関して、このことをよく理解していた。成功は正しい決定を1つ行うことから、ビッグゲームでの勝率を高めるまでのあらゆることに見出せる。これは実際に負けている、あるいは失敗している間でも、物事を学び、達成できることを意味している。現実の生活にも適用できる。1つの巨大な目標は多くの段階を経て達成されるが、後退は最終的な目標達成を不可能にはしない。

8. 誰もが助けを必要としている

「チームワークはまさしく信頼の1形態だ。1人でやっていけるという間違った考えを放棄し、個人的な目標を仲間の支援なしには達成できないと認識したときに、チームワークが発生する」。

この箇所については、サミットの言葉がすべてを語っている。他者の支援には、仲間入りすること、現実の支援、あるいは声援すらあり得る。その他者の支援なしでは、ハードワークと天賦のスキルや長所によって到達できる地点はたかが知れている。お互いを必要としていることを、またそのように望んでいることを、認めよ。先に述べたような支援システムは挑戦を克服しやすいものに変えてくれる。

9. 変化を恐れてはならない

「何事につけても変化を試してみる意欲こそが成功にもっとも必要な栄養分だ」。

スポーツは別のものを試すには最適な場だ。サミットはときに別の選手で試合を始め、ディフェンスを替え、新たなプレーをデザインする。こうした変更は、かなり速やかに成功か失敗かの具体的な証拠を示してくれる。サミットは考え続け、進化を続ける。選手や相手チームは注意を怠ることができない。新しいことを試み、選手に変更が必ず行われると準備させることになるこの意欲によって、サミットにはバスケットボールコートでの成功がもたらされ、選手には人生で実際にやってくるものへの準備となった。変更の一部は選択されたものだが、大部分はそうではない。それは一切の違いをもたらす変更を取り扱う方法だ。

10. 勝利だけがすべてではない

「敗戦には愛憎関係を抱いています。敗戦が自分にもたらす感情(それは基本的にはむかつきですが)は嫌いです。しかし、敗戦が明らかにするものについては好きです」。

本当に勝利がすべてではない。敗戦から多くのことを学ぶことができ、再評価を余儀なくされ、それによって多くの場合にグループはよりいっそう一体化する。サミットがどれだけ競争好きだったとしても、これはすべての人に当てはまることだとよく語っていた。確かにサミットは勝利を望んでいた。そのために最善を尽くし、各選手にも最善を尽くさせた。しかし、そのような経験や共に励みながら作り出した関係こそが真の報酬だった。

 

http://blog.anytimefitness.com/win-life-legendary-coach-summitt/
米国記事掲載日時:20160809