FitnessVol.38

お尻と背中に効く!
バックエクステンションの使い方

トレーニングをする際、大きな部位(背筋、大胸筋、大腿四頭筋)や見える部分ばかり鍛えていませんか?体の裏側にある太もも裏(ハムストリングス)やお尻(大臀筋)はつい見逃してしまう人が多いのですが、スタイルの維持や姿勢にとっても大切な場所。ヒップアップを目的とするトレーニーだけでなく、猫背や反り腰が気になる人、デスクワークなどで姿勢が前重心になりがちな人にもおすすめです。今回はエニタイムフィットネス ハッピーロード大山店の大城弘樹さんに話を聞きました。

文・ヘルシアマガジン編集部
写真・熊谷義朋

前重心になりがちな現代人こそ
「背面」を鍛えよう

バックエクステンションは、自重に近くて地味ですし、あまり人気のあるマシンとはいえません。また、腹筋のマシンだと思われがちですが、実はお尻(大臀筋:だいでんきん)、ハムストリングス(太もも裏)、脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん:背骨に沿った背中の筋肉)といった、体の背面を鍛えるのにはとっても良いマシンです。

デスクワークやスマートフォンの使用時間が長い現代人は、前かがみの姿勢になりやすく、その影響で重心が前に寄りやすいと言われます。トレーニングでも、前面は鏡に映るので意識しやすいのですが、背面は自分では見えないため、どうしても意識しづらい。だからこそ、集中的に鍛えてあげる必要があります。ハムストリングス、お尻、背中をしっかり鍛えて、前に寄った重心を後ろに引っ張り、中立に戻してあげるイメージです。

猫背気味の方や反り腰の方など、姿勢に課題がある方には、優先して取り組んでほしい種目ですね。もちろん、普段からトレーニングをしている方にも、体の前後のバランスを整えるためにおすすめです。男女を問わず、幅広い方に取り入れていただけます。

動きの本質は「前屈」
お腹をまっすぐキープしよう

このマシンの動きは、前屈に近いイメージです。前屈をしてハムストリングスを伸ばす、あの状態をマシンの上で再現していると考えてください。

ポイントは、お腹が折れないこと。お腹が丸まってしまうと、動作の支点が背中側に移ってしまいます。腹圧を入れてお腹をまっすぐにキープしたまま、骨盤からしっかり体を折って、ハムストリングスを伸ばすイメージで動作すると、結果的にお尻にも効いてきます。体幹の筋肉も、姿勢を維持するために自然と使われます。

背面を鍛える
『バックエクステンション』

鍛えられる筋肉・大臀筋(お尻)
・ハムストリングス(太もも裏)
・脊柱起立筋(背中)

回数の目安15〜20回×3セット(セット間の休憩は1分程度)

バックエクステンションの使い方

1パッドの高さをセット
パッドのトップがお尻の付け根(股関節の折れ曲がる部分)にあたるよう高さを調整し、足をしっかり固定します。

2スタート位置づくりが一番大切!
このトレーニングは「体がピンと一直線になった状態」からスタートするのが最大のコツです。 胸を張り、お尻・太もも裏・お腹全体に軽く力が入った状態を作りましょう。だらんと下ろした状態から始めようとすると、正しいフォームを作りにくく効果が半減してしまいます。

3お腹に力を入れて上体を倒し、背面の筋肉を意識して体を起こす
上記スタートポジションの筋力の入り具合はキープしながら
• 下ろすとき(2秒): 太もも裏とお尻が気持ちよくストレッチされているのを感じながら、ゆっくり体を倒します。
• 起こすとき(1秒): 息を吐きながら、反動を使わずに体を起こします。上げる高さは最初の「体が一直線になる位置」までで十分です! 腰を反らせすぎると痛める原因になるので注意しましょう。

パッドの高さとつま先の向きで
効かせ分ける

このマシンの支点になるのは、パッドの頂点です。「パッドの頂点=体を折り曲げる支点」と考えると、調整が分かりやすくなります。お尻に効かせたいときはパッドの頂点をお尻の頂点に合わせ、脊柱起立筋に効かせたいときは少し高めにセットします。体格に関わらず、この「支点合わせ」が目安になります。

つま先の向きでも、効かせ方を調整できます。ストレッチを掛けたい場合はパラレル(まっすぐ)スタンスが良く、初心者の方はこちらをお薦めします。

手の位置は、上半身の姿勢をキープできるなら、胸の前でクロスするなど、ご自身のやりやすいスタイルで構いません。大切なのは、胸を張ってお腹をまっすぐな状態に保つことです。ハンドルは、回数を重ねて追い込むとき、サポートするように使うと良いでしょう。また、マシンから降りる際、バランスを取るのにも使えます。

重要なのはスタートポジションでの筋肉の程よい緊張感を維持しながら動作することです。体を倒しすぎたり、反動の勢いで動作するトレーニングは筋肉の程よい緊張感が抜けてしまい、効果が薄くなったり怪我の原因となります。

重り(プレート)を持つなら
「距離」を意識しよう

自重で物足りなくなったら、プレートを持って負荷を上げることもできます。このとき大切なのは重さではなく、重りが動く「距離」です。重りを下にぶら下げて持っても、移動距離が出ないのであまり意味がありません。支点から最も遠い胸元に抱えることで、軽い重りでもしっかり負荷がかかります。けがにつながりますので重すぎるものは避けてください。2.5kgや1.25kgの軽いプレートからで十分です。

無理なく続けて
姿勢から変えていこう!

バックエクステンションは自重がメインの種目なので、けがのリスクは高くありません。ただし、重りを持つ場合は体幹の力がより必要になり、腰を痛めやすくなるので、軽い重量から慣らしてください。

このマシンは、いわば「デッドリフトの超簡単なバージョン」。デッドリフトはハードルが高いと感じる方でも、安全に体の背面を鍛えられます。見えない背面こそ、姿勢とスタイルの土台。ぜひトレーニングに取り入れてみてくださいね。

Profile
エニタイムフィットネス ハッピーロード大山店
大城 弘樹さん
細い身体がコンプレックスで、トレーニングを始めてから10年。体重54kg、ベンチプレス30kgだったのが現在37歳、体重75kg、ベンチプレスはMAX170kgを達成しました。この経験を通して伝えたいのは、挑戦し続けて目標を達成する喜びこそが、運動の醍醐味だということです。どんな目標でもいいので、人が一番輝いて見えるのは挑戦し続けている瞬間だと思います。今回の記事が皆様の挑戦のきっかけになれば、そしていつか直接お話できる機会があれば、これ以上嬉しいことはありません。
人生で一番熱い「今」、この瞬間から一緒に始めましょう!

撮影協力:
エニタイムフィットネス ハッピーロード大山店