ダイエット中でも安心!
低カロリー&高栄養の
おいしい朝夕レシピ

ダイエット中の食事の摂り方にはどんなポイントがありますか?
トレーニングをまったく行わずに食事のカロリーだけを減らすと、カロリー収支が大きくマイナスに傾き、落としたい体脂肪だけではなく、不足するカロリーを補うために筋肉のタンパク質が分解されてエネルギーに変わります。筋肉が減ると代謝が落ちるので、同じだけ食べていてもカロリー収支がプラスに傾き、痩せにくくなります。
ですから、本気で減量したいなら、食事だけを制限するのではなく、筋トレや有酸素運動などのトレーニングを並行して行うことが欠かせません。
一方、減量を焦りすぎて、ハードなトレーニングで鍛えながら、摂取カロリーを極端に減らすのもNG。やはりカロリー収支がマイナスに傾き、筋肉が落ちて代謝も下がるのです。
効率的に痩せるには、摂取カロリーは男性は1食500kcal、女性は1食450kcal以上を確保しつつ、筋肉を減らさないために、その原材料となるタンパク質は25〜30gの摂取を目指しましょう。
健康的に痩せるには、ビタミンやミネラルの補給も欠かせません。ビタミン・ミネラルの供給源である野菜もしっかり食べましょう。
ダイエットは朝食を抜かないのがポイントだそうですね。ダイエット中の朝食にぴったりなメニューを教えてください。
はい。減量中も1日3食をきちんと食べるのが基本のキです。とくに朝食は抜かないようにしてください。寝ている間は絶食していますから、筋肉の分解が優位になり、代謝が一段と落ちやすくなります。朝食を抜くと、ランチまで筋肉の分解が進むため、太りやすくなります。
朝食は、タンパク質と糖質をダブルで摂るのがお薦め。活動と休息の周期を調整している体内時計が正しくリセットされるので、1日を通して代謝が整います。また、タンパク質と糖質を摂ると、筋肉の合成が一層優位になります。
このツナサラダサンドは、忙しい朝でも作れるように、火をまったく使わないのがポイント。ツナや卵などから、良質なタンパク質が30g以上摂れます。さらに、余分なカロリーを抑えるため、マヨネーズ(大さじ1杯で約80kcal)の代わりに、ギリシャヨーグルトを用いて作ります。ギリシャヨーグルトは低脂質な上、タンパク質とカルシウムが摂れます。
パンに挟むスライスチーズは、タンパク質とカルシウムの他、糖質、脂質の代謝を促すのに欠かせないビタミンB2とナイアシンが含まれており、ダイエットをサポートしてくれます。食感を良くするクルミは、ナイアシンの他、タンパク質の代謝を促すビタミンB6が豊富です。
高タンパクで低脂肪!ギリシャヨーグルトの
ツナサラダサンド
カロリー:505kcal
タンパク質:30.4g
【材料(1人前)】
フランスパン | 1食分 (または食パン8枚切り2枚) |
---|---|
ツナ水煮缶詰 | 1缶(70g) |
A | |
ギリシャヨーグルト | 大さじ3 |
ハーブソルト | 適量 |
玉ねぎ(みじん切り) | 大さじ2 |
ゆで卵 | 1個 |
スライスチーズ | 1枚 |
リーフレタス、トマト、パセリ、クルミ | 各適量 |
【作り方】
ツナは水気をしっかりと切り、缶にAを入れてよく混ぜ合わせてツナサラダを作る。
フランスパンに切れ目を入れて、スライスしたゆで卵と他の具材、1のツナサラダを挟む。
【実食MEMO】
言われないとマヨネーズを使っていないと分からないくらい、ギリシャヨーグルトが良い仕事をしている。満足感が高く、ダイエット中でなくても毎朝食べたい!
では、ダイエット中の夕飯にお薦めのメニューは何かありますか?
食べたあとは寝るだけの夕飯も、500kcal前後に抑えたいもの。調理に油を使わず、フライパンひとつで主菜と副菜が一度に作れる手軽な蒸し料理を紹介しましょう。
ダイエット中のタンパク源というと、低脂質&低カロリーの鶏胸肉が定番ですが、淡白すぎるので毎度そればかりだと飽きてきます。私のお薦めは、よりうまみが濃くて食べ応えがある鶏もも肉。皮を取れば、カロリーは胸肉とそれほど変わりません。ひと手間かかりますが、前日に塩麹を揉み込んでおくと、もも肉が柔らかくなり、うまみもアップします(その時間がないときは、もも肉にフォークでまんべんなく穴を開けてからビニール袋に入れて塩麹を揉み込み、常温で1〜2時間置いてから調理します)。一度に何枚か作り、一枚ずつ冷凍しておくと大変便利です。
野菜やキノコはお好みのものでOK。食物繊維が多く、ボリュームを増やしてくれるので、低カロリーでもお腹が満たせます。おすすめのキノコは、エリンギ。糖質、脂質、タンパク質を代謝するのに欠かせないビタミンB2とナイアシンが含まれています。
いかに低カロリーのメニューでも、夜遅く食べるのはNG。太りやすくなり、睡眠の質も下がります。少なくとも就寝4時間前には食べ終えるようにしてください。
野菜もタンパク質もたっぷり!ワンパン鶏もも肉の塩麹蒸し
カロリー:485kcal
タンパク質:35.2g
【材料(1人前)】
鶏もも肉(皮なし) | 1枚 |
---|---|
塩麹 | 大さじ1 |
キャベツ、ニンジン、エリンギ、スナップエンドウなど | 各適量 (炒め野菜ミックスなどで代用可) |
玄米ご飯 | 150g(パックご飯でも可) |
ポン酢 | 適量 |
【作り方】
鶏もも肉と塩麹をビニール袋に入れ、よく揉む。冷蔵庫で一晩寝かせる。
1の鶏もも肉を常温に戻す。野菜やキノコを食べやすい大きさに切る。
フライパンに大さじ3くらいの水(分量外)を入れ、キッチンペーパーを敷く。そこに野菜やキノコを敷き、その上に鶏もも肉を乗せる。ふたをして弱火で火が通るまで蒸す。
【実食MEMO】
塩麹パワーで鶏肉がしっとり柔らかく仕上がっていて感動的。鶏もも肉のうまみが野菜に染み込み、少量のポン酢だけでおいしく食べられる。
河村 玲子
(かわむら れいこ)
メンタル&フィジカルサポートスーパーバイザー。全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会認定パーソナルフィットネストレーナー、管理栄養士。大手フィットネスクラブ勤務を経て、独立。カナダで管理栄養士トレーナーとして活動し、アメリカ・ニューヨークではピラティスを学ぶ。1985年、東京都生まれ。同志社女子大学卒業。
太るか、痩せるかを決めているのは、消費カロリーと摂取カロリーのバランス。減量するには、カロリー収支をマイナスに傾ける必要があります。そう聞くと食事を厳しく制限したくなりますが、摂取カロリーを減らしすぎると辛くて続かないのでリバウンドしがち。リバウンド経験を持つ多くのダイエッターを救ってきた、トレーナー×管理栄養士の河村玲子さんに、ダイエットが成功する食事のコツと、手軽に作れるレシピを教えてもらいました。