TopicsVol.25

体を使ったチェス!?
ボルダリングに挑戦しよう

文・井上英樹(MONKEY WORKS)
写真・藤瀬大地
カラフルな石に手や足を掛け壁を登っていく。ボルダリングはロープなどを使わずに大きな石(ホールド)を登るスポーツです。ボルダリングは筋肉だけでなくルートを解釈する知力も必要です。それ故に「体を使ったチェス」という異名もあるほどです。2020年東京オリンピックの新競技にも選出されたボルダリング。なぜ、多くの人を惹きつけるのでしょうか。今回はボルダリングジム『ライノ&バード』を主宰する藤枝隆介さんにボルダリングの魅力について伺いました。

初心者でも手軽に始められる
ボルダリング

オリンピックの正式種目になったことが影響しているのでしょう。ボルダリングを始める方が増え、ボルダリングジムも増えましたね。このジムは15年ほど運営していて、常連の方が多いのですが、初心者の方も大歓迎です。多くのボルダリングジムには月会費、回数券、ビジターという利用制度があると思います。ビジターなら、旅行先などでふらっと立ち寄るという使い方も可能です。

多くのジムではレンタルシューズがある。

基本的に必要な道具はクライミングシューズ、手に付ける白いチョークくらいです。チョークは手から出る汗を吸い取り、汗で滑って落ちるのを防いでくれます。チョークが服に付くことがありますが、気にしない方は運動しやすい格好であればOKです。シューズはレンタルもある場合が多いので、初めての方は道具を用意しなくてもボルダリングを楽しむことができます。

共用のチョークを置いているジムが多い。

課題達成が
ボルダリングの楽しさの一つ

初めてボルダリングジムに来た方は、壁にカラフルな石(ホールド)がたくさん付いているのを見て圧倒されるかもしれません。そのホールドを指で掴んだり、足を掛けたりして登ります。私たちのジムではホールドの横に色分けしたテープを貼っていて、その色で等級(レベル)を10個に分けています。場所によってはホールドの色でレベル分けをしているところもあります。初めての方は一番易しいレベルから挑戦していきます。

ボルダリングにはレベルに応じたルートがある。

スタートとゴールと書いたホールドがありますので、スタート位置から始め、ゴールのホールドを両手でつかめば課題達成です。シンプルなルールですが、難易度が上がっていくとそう簡単には攻略できません。このルートはルートセッターと呼ばれる人がセッティングしています。私たちのジムでは、2カ月に1回、ルートを変えています。ですので、毎回新鮮な気持ちで挑戦できると思います。

クライミングシューズは歩くための靴ではなく、壁を登るためのものです。足の指先に力を入れやすくするために、普段履いているサイズより小さめの物を履きます。少し窮屈なので、休憩時にシューズを脱いで足を休ませることも必要です。ボルダリングは腕だけではなく、足も使って登るのですが、最初の頃はどうしても腕力を使って登ろうとします。腕がパンプアップしてパンパンになりますので、登る度に休息を取るようにしてくださいね。

なんといっても
達成感が最高です

ボルダリングの楽しさはたくさんありますが、まずはなんといっても達成感じゃないでしょうか。自分のレベルギリギリの難易度のコースをゴールした時の達成感が、一番大きいですね。その日はダメでも、次の日に挑戦してみて攻略する。そして次の課題に挑む。また、ボルダリングは体力だけではなく、頭脳を使う競技でもあります。

登る前にじっくりと自分が進むルートを見極めよう。

ボルダリングでは、壁を登る前にオブザベーション(観察)といわれる課題の下見をします。手を置く順序、足の位置なども考えてから登ると腕が疲れづらいですね。考えながら登っていると、壁面に留まる時間が長くなるので腕が疲れてきます。少し慣れてきたら、ぜひオブザベーションをして、攻略方法を考えてから挑んでみてください。

最後にボルダリングの際の注意点をお話しします。初めてのジムを訪れた際、館内の説明をしっかり聞いて、安全事項の確認をしてください。また、壁を登っている人が急に落ちてきたり、飛び降りたりすることがありますので、どこで誰が登っているかを把握する必要があります。登っている時も、下にいる時も、特に休憩する時は、十分周りに注意してくださいね。

ボルダリングは指を使って壁を登ります。爪が長い方は傷める可能性がありますので気を付けてください。私たちのジムでは指輪や時計なども外すようにお願いしています。メガネは着けていただいて構いませんが、ホルダーに当たることがあるのでコンタクトにする方も多いですね。お使いになるジムのルールに従ってください。

クライミングは性別、体格、年齢、国籍なんて関係ありません。それぞれが、レベルに応じて楽しみを発見することができると思います。体力のある男性が音を上げても、シニアや小柄な方がすいすい登ることもある。幅広い年齢層が一緒に楽しめる競技だと思いますね。ボルダリングは競技ではあるけれど、勝ち負けを競うだけではないんですよね。ぜひ、お近くのボルダリングジムを探して挑戦してみてください。きっと、楽しい世界が広がると思いますよ。