「Healthier Place をすべての人々へ!」

エニタイムは全国にジムを創るだけでなく、様々な形でHealthier Placeを創造していきます。スポーツを通じて知的障がいのある人々の社会参加を支援するスペシャルオリンピックス日本(SON)との活動もその一つです。

土屋敦之 Atsuyuki Tsuchiya

スペシャルオリンピック日本のロゴ

1967年長野県生まれ。野村不動産、メガロスを経て、2010年より国内におけるエニタイムフィットネス創業の中心として全業務の開発・管理を統括する。
17年、(株)FFJ の代表取締役社長に就任。

有森裕子 Yuko Arimori

スペシャルオリンピック日本のロゴ

1966年岡山県生まれ。バルセロナ五輪とアトランタ五輪の女子マラソンでメダルを獲得。現在は、スペシャルオリンピックス日本の理事長などを務める。

運動をすると身体以上にメンタルの変化を実感できる

土屋2010年に24時間営業のエニタイムフィットネスをスタートしましたが、近年、スポーツに向き合う人々の姿勢が変化しつつあるのを感じています。ジムに通う目的にも、運動を通じて自分に向き合う時間を大事にしているという声を多くいただきます。身体を動かすことが精神面にプラスに働くということは科学的にも明らかにされていますし、フィットネスジムに “自己と対話する場” としての新しい役割が求められているのかもしれません。

有森運動をすると身体の変化以上にメンタルの変化が実感できます。何かに集中しているときには良いアドレナリンが出ると言いますが、自分が持っている機能を使うことは人間がロボットにならない限り絶対に必要なこと。肉体を鍛えることによってメンタルを整える場所は非常に大事なんじゃないかと思います。

土屋2017年夏、熊本第一号出店を機に行なった復興イベント『ドリーム・スポーツ・パーク in 花畑広場』でも、スポーツが持つ人の心を元気にする力を改めて感じさせられました。有森さんにもご参加いただき、多くの地元の方々がトップアスリートと一緒に汗を流し、生き生きとスポーツに取り組んでいたのが実に印象的でした。震災から1年が経ち、復興の一助になればという決断での出店でしたが、運動することによってリフレッシュできた方がたくさんいらしたんでしょうね。予想以上に多くの方が運動する場を渇望されていることを実感できました。気軽に運動ができる場を提供することが地域貢献になると考えていますので、今後の事業を広げていく上で非常に意義ある契機になったと考えています。

有森自分で自分を鼓舞するのって簡単じゃないですからね。スポーツイベントやフィットネスジムのような運動する場を通して人とコミュニケーションを取るだけでも全然違いますよね。人間は感情の生き物なので、他人を応援したり、応援されたり、ということも必要で、それは障害があってもなくても変わらないと思います。

分け隔てなく“場”と“機会”を提供することが何より大事

SOのアスリートが「スペシャル」なのではない

土屋エニタイムでは、「Get to a Healthier Place!(誰もが健康的に暮らせる、心豊かな社会を実現)」を世界共通のスローガンに掲げ、事業、社会活動を進めています。有森さんが理事長を務められている知的障害者の方にスポーツを提供する「スペシャルオリンピックス日本(以下SON)」との連携もそこから生まれたものですが、改めて有森さんがSONの活動を始めたきっかけをお聞かせいただけますか?

有森私自身、運動する場や機会が目の前にあることに何の疑いも持たずに生きてきました。けれど、スペシャルオリンピックス(以下SO)は「スポーツを提供している」と説明されて、知的障害を持つ方が運動をしたいと思っても、日常的にスポーツをする機会や、その成果を発表する場が与えられていないという現実を初めて知りました。当初SOはオリンピックやパラリンピックとは違い、ナンバーワンにならなくてもいい、オンリーワンでいいと言われたのですが、SOの世界大会を初めて観戦した際に、決勝で負けたバスケットボールチームの選手たちが地団駄踏んで大泣きしているのを見て、スポーツに対する思いは彼らも変わらない、勝ちたい選手を勝たせたいと思ったのが最初のきっかけです。勝ちたいと思う子には勝たせる、スポーツをやりたい子には提供する、私は、SOのアスリートたちの存在が「スペシャル」なのではなく、彼らが私たちの固定概念を崩してくれるところが「スペシャル」なのだと思っています。最終的にSOの活動を通して当たり前に社会で生きる力を見いだして欲しい。そしてご家族や地域社会が、当たり前に彼らと一緒に生きていければいいと考えています。

互いの個性を理解し、支え合う関係を築く「ユニファイドスポーツ」

土屋私もSOのお話を聞いて、知的障害のある方が置かれている状況を知り、私たちができることはないのか。資金援助のような形だけではなく、エニタイムの資産である店舗・施設をSONのアスリートの方々にトレーニングの場としてご提供できないか。そう考えたのが、今回のご縁につながりました。全国のFCオーナーの方からも共感いただき「うちのクラブをぜひ使ってほしい」という声が多く寄せられたのも大きな後押しとなりました。

有森SONも各都道府県に地区組織がありますが、日本全国に拠点がある、自分の家の近くにスポーツをする場所と機会があるというのは重要です。SONでは、スポーツを愛する仲間の輪を広げる取り組みの一つとして、「ユニファイドスポーツ」といって、知的障害のあるアスリートと知的障害のないパートナーが同じチームで競技を行い、お互いの個性を理解し合い支え合う関係を築いていく取り組みにも力を入れています。エニタイムの店舗でも、SONのアスリートがトレーナーのサポートを受けながら取り組む「SOアスリート施設体験会」を開催していただいていますが、今回の連携が、SONのアスリートにとってトレーニングのチャンスが増えるとともに、社会に踏み出す一歩になると期待しています。

土屋はい。エニタイムのフランチャイズオーナー、そして全国にいらっしゃる会員の方々にもSONの活動を知っていただき、「ヘルシアプレイス」がさらに広がっていく好循環につながればと考えています。

誰もが健康的に暮らせる、心豊かな社会は必ず実現できる

高校生やアスリート……ヘルシアプレイスを必要としている人たちへ

土屋エニタイムでは高校生の利用を無料にしています。学校の部活動では、最新のトレーニング機器が揃っていないとか、休日にトレーニングができないといった課題があります。また、なんらかの事情で学校に行けなくなってしまった高校生が、身体を動かし、自分と向き合える時間と空間が身近にあれば、何かを変えるきっかけになるかもしれません。こうした課題に対し、貢献できることがあるのではないかと考え、そんな、さまざまな悩みを抱える若者にこそ「ヘルシアプレイス」が必要になっている、という思いから生まれた試みです。

有森自己流のトレーニングには限界があるので、高校生の時にちゃんとしたトレーニングをフィットネスジムで学べるのはいいですね。自分の身体の状態を知るというのは大切なことですから、自分の身体や内面に向き合う習慣にもつながる意義ある取り組みだと思います。学校にとっても、エニタイムを通じて社会との連携がもてると、学校の部活を指導している先生方の負担も軽減できるでしょう。学校との連携を図り、社会のみんなで協力していけるといいと思います。「社会の中のスポーツ」であるということを忘れずに丁寧に関係をつくっていく必要があると思います。

土屋貴重な視点をありがとうございます。健全なスポーツ環境や地域社会を実現していくために、エニタイムフィットネスが教育の現場や社会を結ぶ接点となり、貢献していければと考えています。もう一つ、エニタイムはアスリートへのサポートプロジェクトも行っています。実は日本代表として活躍しているようなアスリートたちの中にも、「ヘルシアプレイス」を必要としている人は多いのではないか。こうした問題意識から、マイナー、メジャー競技問わず、純粋にスポーツを愛し、世の中の人々を勇気づける熱意あるアスリートたちを公募し、「Get to a Healthier Place!」の頭文字をとったアスリートチーム「TEAMG2HP」を結成しました。具体的にはエニタイムの全世界店舗を練習場所として提供し、メディアで報道されにくいスポーツ競技の告知などのサポートも実践して参ります。すでにセーリングの選手などが所属しており、SONのアスリートの方々にもぜひ参加していただければと考えています。

有森アスリートにとって、大きな機会とチャンスにつながる取り組みですね。逆に言えば、「スポーツをしたい」「スポーツによって何かを変えたい」という強い意志があるのに、その機会が与えられないのは、誰もが活躍できる社会を目指していく上でも大きなマイナスといえるのではないでしょうか。「幸運とは準備がチャンスに出会うこと」。これはアメリカの俳優のオプラ・ウィンフリーさんの言葉ですが、その通りだと思います。

土屋同感です。今日、有森さんとお話しをして改めて、運動やスポーツを愛するすべての人をサポートし、「ヘルシアプレイスを届けていく」というエニタイムのミッションの重要性を確認できた気がします。これからもさまざまな形で連携し、「誰もが健康的に暮らせる、心豊かな社会」をともに創っていきましょう。

活動報告
SOアスリートの施設体験会を通じて社会との接点を創出していく

2018年3月3日、エニタイムフィットネス新江古田店(東京・中野区)で、「SOアスリート施設体験会」を開催しました。この体験会はSONのアスリートがフィットネスジムを安全に正しく利用できること、そしてエニタイムのトレーナーがSOについて学ぶ機会にすることを目的としています。
今回はフィギュアスケーターの19歳の男性が参加し、アスリートの保護者とトレーニングの目的を話し合い、体験会をスタート。上半身を中心にトレーニングマシンで筋力強化をしたいという男性の要望に基づいた、2時間程度のトレーニングとなりました。最初はランニングマシンとストレッチでウォーミングアップ。トレーニングマシンでは、トレーナーがサポートしつつ負荷を調整、運動回数をカウントしていきます。途中は辛そうな表情を見せられることもありましたが、終了後は笑みがこぼれていました。
指導したトレーナーは「わかりやすい言葉での説明を心掛け、表情からもどれだけ負荷がかかっているかをしっかりと見ています」とのこと。また、エニタイムの会員への指導よりも、視野を広く持ち、安全に気を配ることにも気をつけています。付き添った保護者は、「マシンを使ったトレーニングができる施設がないため、普段は自宅で腕立て伏せやダンベルを使ったトレーニングしかできず、本人もつまらなそうで困っていました。今日は環境が変わったこともあり、嬉しそう。一般利用者がいる環境でトレーニングするイメージを知れたのも収穫でした」と振り返っておられました。その言葉通り、本人も「楽しかった」と感想を述べてくださりました。印象的だったのは、「これが日常的な取り組みとなり、一般の方と知的障害者の接点となることで、偏見の解消につながれば嬉しいです」という保護者の言葉です。過去の開催ではエニタイムの会員の方から声をかけられることもあり、取り組みを説明すると、理解してもらえることが多々ありました。今後も取り組みを続け、全国の店舗に広げたいと考えております。

負荷のかかるトレーニングでは辛そうな表情を見せるSONアスリートだが、トレーナーとのコミュニケーションを笑顔で楽しんでいた。

日本経済新聞朝刊全国版(平成30年3月22日掲載)広告特集より転載