<さいたま国際芸術祭2020>

文・ヘルシアマガジン編集部
Review
2020.11.02

今日、明日、明後日と直線距離で前に進む怒涛の日常から離れて、空っぽのこころになる芸術の時間、のはずだった。しかし、「さいたま国際芸術祭2020」、そこはカオスだった。

写真提供:さいたま国際芸術祭実行委員会  

あなたは美術館に行ったことがあるだろうか。
観られる対象である絵画やオブジェがそこにあり、人びとが列をなして、お行儀よく鑑賞する場、というのが誰もが思い描く美術館であろう。ときには、国も文化も時代も異なる背景のもと作られた創造物から、今の現代に生きる私たちとの共通性を見出すことで面白みを感じたりする。

フランク・ブラジガンド《日常の修復−旧大宮区役所》
撮影:丸尾隆一 写真提供:さいたま国際芸術祭実行委員会 

しかし、「さいたま国際芸術祭2020」は、その名の通り、「祭り」だった。美術館のようにお行儀よくなんてしていられなかった。

梅田哲也《0階》    

取り壊される予定の旧大宮区役所と、役割を終えた旧大宮図書館の建物を活かして、国際的にも有名な芸術家の作品から、市民が参加してアーティストと一緒に作った作品まで、さまざまな作品が展示されていた。芸術祭のテーマ「花 / flower」を、アーティストたちはさまざまに解釈し、残された備品なども利用しながら、この場所ならではの作品が新たに作られたそうである。

川井昭夫《Plant Circle – VI 草上の終焉》    

特に旧大宮図書館(アネックスサイト)会場では、学生から釜ヶ崎のおじさんたちまでがアーティストになっていて、まるで子どもが遊んでいるかのような自由で無邪気な創造がそこにあった。

釜ヶ崎芸術大学《ことばのむし干し(星)》

現代に生きる私たちの芸術祭。街中にも作品が展示されていて、地域や暮らしという日常を切り取りつつ、常識をぐちゃぐちゃに掻き回されて、新たな視点を得られたような、そんな体験になった。

TETTA 《大宮三十三観音》    

閉塞感が漂う時代だからこそ、芸術祭に未来の可能性の芽を見つけに行ってみてはいかがだろうか。ウェブでも作品を公開しているので、会場まで行けない人はチェックしてみてほしい。


さいたま国際芸術祭2020

会期:2020年10月17日~11月15日
会場:メインサイト(旧大宮区役所)、アネックスサイト(旧大宮図書館)、スプラッシュサイト(鉄道博物館、大宮図書館、埼玉会館、宇宙劇場ほか市内各所)
開場時間:12:00~18:00 ※最終入場は17:00まで
休場日:月
料金:無料
※完全予約制(日時指定)
予約:https://art-sightama.jp/jp/news/uFoQi15g/
公式サイト:https://art-sightama.jp/
映像配信特設サイト:https://online-art-sightama.jp/
※スプラッシュサイトの開館時間・休館日・入場料・展示期間等詳細は各公式HPを参照のこと。


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