SpecialVol.16

セパタクローをする
アスリート社員からの
メッセージ

セパタクローをするアスリート社員からのメッセージ

2022年秋、エニタイムフィットネスが取り組む地域貢献活動のひとつとして、セパタクローを体験する特別授業『アスリート社員に聞く!なんでもチャレンジ』が静岡県浜松市の小学校で行われました。これは、浜松市とエニタイムフィットネスとの間で締結している『スポーツ推進に関する協定』の連携事業の一環として行った特別授業です。児童たちに競技を知ってもらうことはもちろん、「アスリート社員」という生き方を知り、将来の選択肢を増やす、キャリア教育の目的もあります。働きながら競技に打ち込むアスリート社員の姿は、小学生の目にどのように映ったのでしょうか。

写真・鈴木トシタケ
文・ヘルシアマガジン編集部

セパタクロー。その名前を聞いたことのある人は多いでしょう。しかし、この競技を実際に見たり、プレーをしたことのある人は少ないのではないでしょうか。「セパ」は「蹴る」、「タクロー」は「籐(とう)で編んだ球」という意味です。足を使ったこのバレーボールに似た競技は9世紀頃から東南アジア地域で行われていた記録が残っています。現在では、その激しいプレースタイル(なんと球速が時速140kmに達することも!)から「空中の格闘技」とも呼ばれ、タイやマレーシアではプロリーグがあり、大変な人気を誇ります。トップ選手は「英雄」レベルで尊敬を集めるそうです。

2022年秋、浜松市立船越小学校でセパタクローを体験する特別授業『アスリート社員に聞く!なんでもチャレンジ』が行われました。お昼休みを終えた6年生の児童たち約50人が、体育館に集まりました。皆さん、未知のスポーツにやや緊張気味です。

しかし、今回の特別授業をサポートするエニタイムフィットネスのスタッフとイメージキャラクターである「ランニングマン」が登場すると、体育館内がざわつきます。続いて今回の特別講師である市川遥太選手、水戸一希選手、坂本竜太郎選手が登場します。皆さん、ランニングマンの時より大きな歓声が上がります。アスリートのオーラを感じ取ったのでしょうか。

3名は現役のセパタクロー選手です。彼らは競技に打ち込むアスリート社員としてエニタイムフィットネスに所属し、仕事と競技を両立しています。普段はエニタイムフィットネスで通常業務を行い、業務終了後や休みの日などを活用して、セパタクローに向き合っています。しかも、2022年4月に埼玉県富士見市で開催された第29回全日本セパタクローオープン選手権大会で優勝した日本が誇るトップアスリートなのです。

セパタクローを
知っていますか?

まず選手から映像を交えたセパタクローについての説明がありました。「セパタクローを知っているか」を聞いてみたところ、「知っている」と答えた児童はゼロ。これには選手たちも少々動揺している様子。それも仕方がないでしょう。というのも、日本の野球やサッカーの競技人口が数百万なのに対し、セパタクローはわずか3000人ほど。東南アジアでは国民的スポーツですが、日本ではまだマイナースポーツなのです。しかし、選手たちの競技映像を流すと、その激しいプレーに歓声が上がります。

さらに、選手たちがデモンストレーションを行うと、児童たちは口々に「すごい!」「速い!」「かっこいい~!」と興奮気味に反応が。まるでカンフーアクションのようなアタックは児童たちの心を一瞬で掴みました。と、同時に「こんなことができるのだろうか」という不安も児童たちの表情から垣間見えます。しかし、未知のスポーツへの興味なのでしょう。児童たちは真剣に選手の話を聞き、熱心にメモを取っていました。

「セパタクローは野球やサッカーと比べてマイナースポーツですが、仕事をしながら頑張っています。理由はセパタクローが好きなのと仲間がいるからです。今日はなんでもチャレンジ。ネバーギブアップで頑張りましょう!」と背番号10の水戸選手が壇上から児童たちに伝えると、大きな拍手が起こりました。

児童たちが
みるみる上達していく

いよいよ、児童たちもセパタクローを体験します。まずは入念なストレッチを行い、体をゆっくり温めていきます。最初は膝から下を内側に曲げて、土踏まずの辺りでボールを蹴るインステップキックから。野球でいうキャッチボールのようなものでしょうか。一対一でボールのやり取りを行います。ボールを軽く蹴るだけで大きな弧を描いて飛んでいきます。慣れないうちはボールコントロールが難しそうです。

初めは一度ボールタッチするので精一杯でしたが、時間が経つにつれて正確に当たる回数が増えてきます。サッカー経験者の方が上手にできるのでしょうか。水戸選手に尋ねると「変な癖がない分、サッカー経験者より未経験者の方が上手なこともあるんですよ。癖が抜けなくて困る選手が多いんです」と教えてくれました。ボールタッチができ始めると、3つのコートに分かれ15~20人ほどのチームをつくります。サーブとアタックの練習です。さっきまで誰も知らなかったセパタクローに50人の児童たちが集中して取り組んでいます。練習でトライアンドエラーを繰り返しているうちに、なんだか形になってきました。

セパタクローを始めて1時間が経過した頃、すっかり児童たちは競技を自分たちのものにし始めていました。児童たちの未知の競技に取り組む柔軟な姿勢に脱帽です。「僕たちはいろんな場所でセパタクローの講習会を行います。大人はできないと諦めがちですが、児童は楽しみながら『できるんじゃないかな?』と思ってくれるんですよね。諦めないんですよね」と、背番号8の市川選手は児童たちの懸命な姿に感心しながら話してくれました。

もっとセパタクローを
知ってもらうために

2人の児童の中に選手が入り、3対3でゲームを行います。さすがにゲームは無理なのでは……と思ったのも束の間、大きな歓声と共にボールがコートを行き来します。サーブ、トス、つないで、アタック。このつなぐ部分に選手が入ることでボールがつながり、ゲームになっていきます。

時折、興奮のあまり手を使う子も出ましたが、ゲームを続けたい一心だったのでしょう。ずっと側で見ていた教師やエニタイムフィットネスのスタッフも、大きな声で応援します。最後は児童だけのチームで総当たり戦を行い、選手チームと対戦をして特別授業は終了しました。

「児童たちが積極的に取り組んでくれたおかげでとても盛り上がりましたね。マイナースポーツであるセパタクローを盛り上げるには、まず子どもたちに知ってもらいたい。セパタクローを経験した子どもたちが増えたら、競技を知ってくれる人が増えていく。中には競技を始めてくれる子も出てくるかもしれない。この土台づくりが大事だと思います」と、背番号4の坂本選手は嬉しそうに話してくれました。

3人のアスリート社員は、業務とセパタクローの練習、試合の合間の時間を、こうやってセパタクローの普及活動に当てているそうです。彼らは選手であると同時にセパタクローのエバンジェリスト(伝道者)でもあるのです。この楽しい思い出はきっと、児童たちの記憶に深く刻まれることでしょう。

最後にアスリート社員として、どのような気持ちで競技と仕事に臨んでいるのかと尋ねると、先ほどまで楽しそうだった坂本選手が、真剣な表情になりました。「試合に勝ち、結果を出したいですね」と、坂本選手は言います。「アスリートとしての爪痕を残したい。競技で勝つことは、ほかの社員にもポジティブな影響があると思うんです」。

3人の所属するセパタクローチーム『A.K. tippler AFJ』は、2026年愛知・名古屋アジア競技大会での金メダル獲得を目指します。それは険しい目標です。大会は数年後。今日の特別授業でセパタクローとアスリート社員の存在を知った児童たちはきっと応援してくれることでしょう。アスリート社員や彼らを支えるエニタイムフィットネスの挑戦はこれからも続きます。

Message From AF

エニタイムフィットネスは浜松市と『スポーツ推進に関する協定』を締結し、今回のセパタクロー体験のほか、体育館へのマシン寄贈も行っています。市内の「引佐総合体育館」、「舞阪総合体育館」の両施設にランニングマシンなどのフィットネスマシンを合計14台、寄贈いたしました。エニタイムフィットネスの使命は「フィットネス習慣を拡大させることで健康寿命を延ばし、豊かな社会を創る」こと。これからも、エニタイムフィットネスは市民の皆さまの健康増進に貢献する取り組みに尽力して参ります。

※写真撮影時のみマスクを外しております。