毎日の食事があなたの身体を作る

TOP写真・Brookelark 文・井上英樹(monkeyworks)
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2020.11.09

男女ともに身体の悩みで多いのが、増えてしまった体重。お腹の脂肪をどうすればいいのかと、途方に暮れた経験をお持ちの人も多いでしょう。美しく、あるいはたくましくなりたいのであれば適度な運動が必要です。管理栄養士としてダイエットアプリ「あすけん」の開発に携わり、現在はプロアスリートなどに食事アドバイスをしている衞藤敬子さんは「運動に加えて、食事改善が重要なポイントです」といいます。衞藤さんに、そのコツを教えてもらいました。

Photograph by George Pagan Ⅲ

皆さんは毎日の食事と、どのように向き合っているでしょうか。テレビ番組や雑誌のダイエット特集で「この食材が痩せる」「この食事がいい」と、見ることがあります。はたして、本当に効果があるのでしょうか。「たまたまハマる」こともあるでしょう。一時的に体重が落ちることもあるでしょう。しかし、顔や性格が違うように、身体もそれぞれ違います。消化、吸収、代謝の能力が違うのです。しっかりと食事と向き合い、自分に合ったダイエットでなければ続きませんし、無理なダイエットは体調を崩すこともあります。美しく痩せるためには自分に合った「食事のスタンス」を知っておくことが大切です。

食事のスタンスを知るには、日々の食事を内観してみてください。日々の体調は食事によって左右されることが多いのです。もし、体調がすぐれなければ「なぜ調子が悪いんだろう?」と、朝お腹が空いていなければ「なぜお腹が空いていないんだろう?」と、食生活を振り返るのです。そうすると「昨夜は飲みすぎたな」とか「脂っこい物を食べすぎてしまったかな」などと、思い当たることがあるはずです。その情報を蓄積して、『自分の辞書』『自分の取扱説明書』を作ってみてください。やがて、自分の食事のスタンスが確立されていくでしょう。

自分に合う食事の管理方法に巡り合う

最近のダイエットは【カロリー理論】より、「栄養素をしっかり摂りしましょう」という【マクロ管理法】の動きになっています。すごく簡単に言うと【カロリー理論】は「痩せたいから食事を減らそう」という考え。【マクロ管理法】は、「カレーライスを食べたいから、野菜ジュースやサラダを足して栄養バランスを整えよう」という考えです。

1回ごとの食事でタンパク質、炭水化物、脂質などのバランスを調整するのが理想ですが、毎回考えるのが難しい人は1日でも1週間単位でもいいんです。気持ちに余裕がないと、食事が苦しくなりますからね。「週末は旅行に行くのでたくさん食べる」ことがわかっていれば、前後の日程で調整すればいい、というようにゆるく考えましょう。私も旅行に行ったときは我慢できませんから(笑)。

旅行先でおいしいものを食べることを我慢することはないと衞藤さんは言う。

毎食の写真を撮ったり、記録を付けたりすることは有効です。いまは食事管理アプリもありますので、いつ何を食べたのかを把握することはとてもいいと思います。

それぞれの食事の役割

食事にはそれぞれ役割があります。朝食の役割は1日のエネルギー源を得るためです。1日を快適に過ごすために、きちんと摂ってください。昼食は午後のエネルギー源。夜までの家事や仕事のために必要です。夕食は1日の疲労回復です。寝ている間に身体は作られます。夕食は明日のためにも食べるのです。夕食後は基本的に眠るだけですから、食べすぎず、栄養バランスが良く、消化吸収の良いものを摂ってください。夜は腹八分目にして、朝起きたときに「お腹が空いたな」と感じていれば、夕食が適量ということです。お腹が空いていないから朝食を食べないという人は、もしかすると遅い時間に食べすぎているのかもしれませんね。

毎回の食事はとても大切ですが、健康的な生活をするためには特に朝ごはんが重要です。人間の体内時計は約1時間のズレが生じるといわれています。朝ごはんを食べることで、体内時計のズレをリセットし1日の調子を整えます。リセットできないと夜型人間になり、眠れなくなりますが、ズレがある人は朝食で戻してあげることができます。朝起きて日光を浴び、朝ごはんを食べれば内臓が動き、体温が上がります。午前中の仕事の集中力も上がるでしょう。

5色の料理を食べましょう

では理想の食事とはどんなものでしょうか。私がおすすめしている理想の食事はご飯、汁物、3つのおかずの「一汁三菜」です。ですが、なかなか大変ですよね。たとえば、お昼にカレーを食べるのであれば、汁物やサラダを足すという考えでいいんです。無理に品数を増やすのではなく、ないものを足すだけで栄養価は増えます。

Photograph by Chris Ralston

さらに簡単なのが「カラフルな食事をとる」ことです。赤、緑、黄、白、黒の「5色の料理を食べること」を意識するのがいいでしょう。

「赤」はトマトやパプリカ、イチゴなどの色の濃い物。そしてお肉、赤身の魚など。
「緑」は葉物野菜を中心に。ほうれん草やブロッコリー、モロヘイヤ、ピーマンなど。
「黄」は卵や大豆製品、バナナやレモン、かぼちゃなどがありますね。
「白」はお米、そしてパンや麺類の小麦製品などの炭水化物。
そして「黒」はワカメやひじき、ごま、海苔、ごぼうなど。

難しいことではありません。食卓を見て、たくさん色があるかな……と見るだけでいいのです。5色が揃えばバランス良く食べていることになる。いろいろと栄養価を考えるのってめんどくさい。そういう計算が苦手だったら、「たくさん色が揃っているかな?」と注意してみてください。カラフルな食事は見た目にも美しいので、作っていても食べていても楽しい気持ちになります。みなさんも、ぜひ楽しみながら試してみてくださいね。

PROFILE

衞藤 敬子
Nutrifit主宰、管理栄養士。ダイエットアプリ「あすけん」の企画・コンテンツ制作をはじめ、ダイエッターやビジネスパーソン、プロテニス選手など延べ1200名以上の栄養サポートを経験。現在はフリーランスとして独立。主に「食知識を持ち、きれいな自分と家族の健康を守れる女性を増やす」ための食事プログラム開催やセミナー、個人サポートなどで食の大切さを伝えている。
https://www.nutrifit-everyday.com/


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