Member’s StoryVol.9

みんなの初夢キャンペーン夢への挑戦、応援レポート
第7回

3年間で紡いだ夢の道。青森~下関1550km本州縦断フットレース完結!

文・宮崎裕子
写真・尾内一希(スタジオキャドル株式会社)

みんなの初夢キャンペーン2023に当選し、「本州縦断フットレース・R9(国道9号線)ステージ」(舞鶴〜下関582km)を走破するという目標を掲げた宮崎裕子さん。
当選後、約4ヵ月にわたるエニタイムのトレーニングは、けがとの戦いでもありました。走り込みができない期間も、小さな努力を積み重ね、見事に夢を実現。
8日間にわたるレースの模様をご自身の言葉でレポートしていただきました!

まずは結果のご報告です。

10月17日~24日、予定通り8日間で完走し、3年越しの大きな目標を達成することができました。
応援していただいたみなさん、本当にありがとうございました!

以前の記事と重複しますが、このレースは一般的なマラソン大会とは大きく異なります。
かなり特殊なので、今一度、簡単に説明します。

  • スタート日の定めなし。4月~10月内にゴールすれば、自由に設定できる。
  • 荷物預けやエイドなし。スタッフ不在。荷物は自分で背負って走るスタイル。
  • スマホで決められたチェックポイントの通過報告をし、制限時間内にゴールする。

要は、大会にエントリーはするものの、自由度の高い「勝手レース」。人と競うことなく、自分でプランを組み立てます。

言い換えれば、すべて自己責任。制限時間内で旅のプラン、スタイル、1日の走行距離などもその人次第。大会スタッフはいないため、悪天候や急なトラブルにも対応できる判断力も必要。必要装備も人それぞれ違うでしょう。

200kmを超えるウルトラマラソンを何度か経験し、それなりに自信もついた時、自分にとってはハードルも高く「遠い夢」だった、このレースに興味を持つようになりました。

本州縦断フットレースに出たい。自分の足で、旅をしてみたい――。

職場には、有給で長期連休を取得させてもらえるよう、事前に根回し。
2年前に青森~新潟(R7)、1年前に新潟~舞鶴(R8)を完走。そして今回、舞鶴~下関(R9)を完走。その総距離はなんと1550kmにも及びます。

人の足で進むには、果てしのない距離。それでも毎年ひとつのステージを着実にこなしていけば3年で達成できる夢。「絶対に本州縦断フットレースを走破する」という強い気持ちは、一度も途切れることはありませんでした。

トレーナーの指導のもと、
徹底して取り組んだ
「肋骨と骨盤の位置を
正位置に戻すこと」

今回の挑戦にあたり、「ランニングフォームの改善」は必須だと考えていました。
しかし、エニタイムから当選の連絡が来た時、肉離れと腰椎ヘルニア、連続してふたつのけがを抱え、治療中の身。けがの再発を防ぐためにも、身体の機能改善から再構築していくことに。

本来、マラソンに必要な筋力アップをしたいところでしたが、理学療法士でもある大桃トレーナーからは「肋骨と骨盤の位置を正位置に戻すこと」に重点を置くよう、指導がありました。

日頃から走りにくさや呼吸の苦しさを感じていたのですが、どうやら本来あるべきポジションに、肋骨や骨盤が収まっていないらしいのです。

小手先のフォーム改善ではなく、呼吸をメインにした地味なエクササイズを毎日コツコツ。すると、動きやすさを感じ、いつの間にかけがも回復していきました。

本番の1ヵ月前に走力チェックで出走した250kmのレースも無事完走。やっと、レースに向かう勇気と自信を持てたのです。

さぁ、
3年かけた本州縦断ラストステージ。
舞鶴から下関まで、
582kmの旅が始まった!

初日は約70km、午前5時にスタートしました。
R9ステージの582kmを8日間で進む計算で、夜は毎日ホテルを事前に押さえています。平均すると1日約73kmですが、ちょうどいい場所に宿泊先がないこともあり、日によって距離も長かったり短かったり。

この日はウォーミングアップ感覚。特に大きな疲労はなかったものの、初日から足の小指のマメ(水ぶくれ)に悩まされました。

実は前月のレースで大きな血マメができて、完治せず。なんと、スタートの前日に絆創膏をはがしたところ、爪と皮がクルリとまとめて剥がれてしまったのです。

皮膚はつるっつる、ピンク色の真皮状態。再び擦れて悪化するのが怖かったので、事前に絆創膏やテーピングで保護。しかし、それが逆効果となったのか、再び真皮にマメができてしまいました…。あぁ、恐れていたことが。

翌日からは、もう激痛に次ぐ激痛(笑)。でも進むしかありません。

日程的に、前半は長めの距離設定。90km近い日もあり、マメの痛みだけでなく、寝不足による睡魔や疲労との戦いにもなってきます。
関節や腱などの痛みはなかったのですが、筋肉疲労は日を追うごとに感じるように。

走り終わってホテルに着いてからは、毎日同じことの繰り返し。とにかく何でも「スピーディ」に。

ホテルの部屋に入るやいなや、電源コンセントに一目散(笑)。スマホやヘッドライトを充電し、急いで洗濯と食事。氷が入手できれば、食事をしながらアイシング。お風呂では念入りにマッサージをし、寝る前にはSNSでの報告。

終日外気、直射日光を浴び続けているので、顔もガッサガサ。わずかでも女子力を保つために、フェイスパックは行います(笑)。

そして22時~23時くらいに就寝し、起床は深夜の2時、3時。起きて1時間後には前日に購入しておいた朝食を食べ、ホテルを出発という慌ただしいサイクル。

強烈に眠いはずが、横になると様々な痛みを感じ始めます。
寝入った途端、いきなりビクン!と足が攣るとか(笑)。まだまだ弱いようです。

コースは山岳地帯や、日本海側の海岸線。朝は気温が6度、7度と冷え込み、日中は27度を超えるという寒暖差も、疲労を増幅させていきました。もちろん、土砂降りや煽られるような強風の中、走った日もありました。

それでも、ただ走ることだけに意識を向ければいい贅沢な8日間。
左側から朝陽がのぼり、右側に夕陽が沈む。だから私の左半身が真っ黒に日焼けをしている。毎日同じなのに、毎日違う景色のなかにいる。なんて幸せなんだろう。

川の流れ、のどかな田園。峠をのぼりきれば、キラキラと輝く海が見えたり、いきなり砂丘が出てきたり。次々と変化していく景観は、確かに、自分がその先に向かって進んでいることを感じさせてくれました。

時間的にそこまで余裕はないものの、使命感にかられ、コース上のエニタイム行脚もしてみました(笑)。

遠方から
応援に駆けつけてくれた友人たち。
企画を通していただいた
メッセージにも感激!

3年かけた本州縦断フットレースですが、近隣県だけでなく、遠方から応援に来てくれる友人がたくさんいました。私が勝手に掲げた夢、たった1人のレースのために、わざわざお金と時間をかけて応援に来てくれるなんて、本当に感謝しかありません。

今回は、レース中に見ず知らずの人から連絡が入り「地元なのでサポートさせてもらえませんか」という、ありがたいお申し出をいただいたことも驚きでした。

全8日間の行程のうち、最もキツイ中盤を終え、いよいよ後半戦。

今回はラスト2日間の距離を60km程度と短く設定。それまでは3、4時間だった睡眠時間を5時間確保できたことで、疲労も回復し、あれだけひどかったマメの痛みも大幅に軽減しました。

いや~睡眠って大事!驚くほど走れる! すごっ!

そこに現れた救世主。本州縦断を通しで走破した超人女子ランナーふたりが最後の県である、山口に登場。豪華すぎる応援団とともに最終日を迎えました。

この日はエニタイムフィットネス下関長府店にも予め立ち寄ることになっていて、盛大な歓迎を受け店内へ。
私がいつもお世話になっているエニタイムフィットネス方南町店からの色紙、応援メッセージ入りの横断幕も嬉しかったです。

しばらくすると、先ほどからずっとトレッドミルを走っている会員さんが振り向いた!

え!?
なんというサプライズ!さらにまたひとり、わざわざ関東からゴールを見届けるために来てくれた友人が。これには驚きました!

ここからは女子4人で楽しくウイニングラン。関門海峡を目にすると気持ちも次第に高まります。

「完走は本当に嬉しいけど、ゴールでは絶対泣かないからね(笑)」

過去2年、縦断レース中は何度か泣きました。人の優しさに触れ、嬉し涙の時もあれば、つらい時に声を出して泣いたこともあります。

それでも、私は今まで、大切なレースの時も、つらいレースの時も、ゴールで泣いたことはありませんでした。終わったという、安堵のほうが強いのかもしれません。

下関駅が近づくと、一緒に走っていた友人が先回りダッシュ。事前にゴールテープを用意し、私のためのゴールを用意してくれていました。

ついにゴール!
やったぁ!嬉しい!自分の足で本州を縦断したんだ!
3年間、抱えていた夢の道、青森から下関までがつながったんだ!

みんなにありがとうとお礼を告げると、拍手とともに、涙目で「おめでとう!」って言ってくれている。そんなに喜んでくれるの?

やだ、泣いちゃう。
私なんかのために、本当にありがとう。

夢を持ち続けた3年間。1550kmを走破するために費やした日数は21日間。うち、今回挑戦したR9ステージは8日間(179時間28分)。

この時間は私の心身を強くし、また、その間に通い続けたエニタイムの存在も、とても大きなものでした。

特にけがで満足に走れない期間は、筋トレやストレッチがメイン。宿泊を伴う出張の際は、エニタイムが近くにあるホテルをチョイス(笑)。早朝や深夜に利用するなどし、コンスタントに週3日以上のペースで利用していました。

絶対にけがを悪化させたくなかったので、筋トレは安全性の高いマシンを使い、重量は軽めに。それでも地道に通うことで筋力、体型は維持。数ヵ月間、全く走れない時期を過ごしたにも関わらず、走力の衰えをさほど感じずに、本番を迎えることができました。

最後になりますが、エニタイム初夢キャンペーン、応募総数17000人以上のうちの2名に選んでいただき光栄でした。また、会員の皆さんが持つ夢のパワーも、一歩を進める原動力になりました。

たったひとりのはずのレース。私が夢をかなえられたのは、皆さんの支えがあってこそ。

心より、感謝しています。応援ありがとうございました!

方南町店には完走を祝う特設コーナーを作っていただきました。

エニタイムは今後も、会員のみなさまの夢や目標を実現するための企画を予定しています。1人だけでは成し遂げられない大きな目標であっても、さまざまなサポートによって実現に近づけるかも知れません。ぜひこれからもエニタイムでのトレーニングを楽しんでいただけたらと思います!